ホスピス住宅、30年に100棟展開めざす 福岡のbeads
- 4月4日
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末期がんや神経難病の患者向けの「ホスピス住宅」を手掛けるbeads(ビーズ、福岡市)は、ベンチャーキャピタル(VC)2社から計10億円を調達した。
同住宅の数が少ない九州など西日本エリアを中心に2030年に100棟の展開をめざす。高齢人口の増加と病床数の減少が続くなか、その人らしく最期を迎えられる場所を地域に広げる。
22年創業のビーズに出資したのは米資産運用大手フィデリティ系のVC、エイトローズベンチャーズジャパン(東京・港)と農林中央金庫傘下の農林中金キャピタル(東京・千代田)。ビーズは調達資金を複数の拠点整備や本部人員の充足に使う。
ホスピス住宅は末期がんやパーキンソン病など神経性の難病の患者を専門に受け入れる住宅型有料老人ホーム。
必要な介護や看護を担うスタッフが駐在する。
食事・入浴・就寝の時間に対する制約が一般的な介護施設に比べ少ないことも特色で、ビーズの場合、面会は24時間可能という。
23年12月に初めてオープンした「ビーズの家 南片江」(福岡市)には現在30人ほどが入居。食費や管理費を含む住宅費は月額12万8000円で、これに医療・サービスの自己負担が加わる。
山崎大輔社長は「家具も普段使いに近いものを選ぶなど、家として過ごしてもらうことにこだわる」と話す。
超高齢化社会の到来と病床数の減少により「みとりの場」が不足する懸念は強い。
厚生労働省が11年に示した試算では、40年に病院や自宅で最期を迎えられない人が49万人にのぼる。
福岡県の場合、10万人あたりの病床数は22年10月時点で1596。全国平均よりは3割ほど多いものの減少傾向にはある。
一方で65歳以上人口は24年10月時点で143万人と、11年から30万人強増えている。
ビーズは3月、福岡県糸島市の新興住宅街に2棟目のホスピス住宅を開く。入居者とその家族が地域の人々との交流に使えるようなスペースも設ける。資金調達をきっかけに地域でのみとりの受け皿拡大を急ぐ。
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