top of page
検索

倒産高リスク企業、建設で18%増 資材高や人手不足で

  • 2月8日
  • 読了時間: 3分

 建設業界で倒産懸念が高まっている。帝国データバンクによると、1年以内の倒産リスクが高い建設企業が前年より2割弱増えたことがわかった。


 資材価格の高止まりや人手不足に伴う人件費上昇が中小業者の経営を圧迫している。


 高齢化が進むなか、熟練大工職人など建設従事者が大量離職する「2025年問題」や金利上昇も追い打ちをかけている。


 分析には帝国データバンクが今後1年以内に倒産する確率を企業ごとに指標化した「倒産予測値」を使った。


 非上場企業も含めて資金繰りや独自のネガティブ情報などをもとに推計した値(2024年12月時点)で、1〜10の10段階で約147万社の倒産リスクを評価した。このうち8以上の企業を高リスクとし、各業種における社数や割合を調べた。


 社数ベースでは、建設業(職別工事、総合工事、設備工事の合計)が2万8817社と、23年同月より18.2%増えた。


 4500社近く増え、業界内全体の6.8%が高リスク企業になる。資材高や燃料高に加え、建設現場での人手不足に伴う労務費の上昇が中小建設業者の経営を圧迫している。


 価格上昇分を請負価格に転嫁できず、借り入れ依存が高い企業を中心に倒産リスクが高まっている。


 建設業界では再開発事業や災害復旧工事などで工事需要が旺盛な一方、24年4月に導入された残業時間の上限規制で建築作業を担う職人や現場監督の人手不足が深刻化し、工期遅れや施工費上昇といった悪循環に陥る企業が増えている。


 建設業は他業種と比べて高齢化が顕著で、国土交通省によると、22年時点で建設従事者の約4分の1が60歳以上だった。


 24年に倒産した建設業者は1890社と過去10年で最多になったが、25年は熟練職人の大量引退で人手不足が深刻化し、賃金引き上げ余力に乏しい中小で倒産がさらに増える可能性がある。


 製造業でも倒産リスクが高い企業は2万8571社と、23年同月比で13.1%増えた。一般機械器具製造業や鉄鋼業、非鉄金属・金属製品製造業などの増加が目立った。


 一方、飲食店業は1万134社、飲食料品小売業は9159社と、それぞれ14.5%減と13.7%減だった。運輸業も1万1828社と24.4%減少した。


 24年に一部企業が原材料高を販売価格に転嫁して資金難を脱したほか、倒産や休廃業により淘汰が進んだとみられる。ただ、業界内全体に占める高リスク企業の比率でみると、いずれも25〜45%となお高水準だ。全業種の高リスク企業は12万6960社と、前年(12万7280社)から微減だった。


 25年は金利上昇局面となり、政府が新型コロナウイルス対応で始めた元本の返済と利子の支払いを一定期間免除する実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済も本格化している。


 同制度は中小企業の資金繰りを支えたものの、破綻寸前の企業を延命させたとの見方もあり、資金調達が難航する企業が今後増える可能性が高い。


 後継者不足に悩む企業も多いなか、事業譲渡など新陳代謝を促す再生支援も急務となる。



投稿責任  社長


 

 
 
 

Comments


一般社団法人SGC

©2023 一般社団法人SGC

bottom of page