千葉県企業の主力銀行、千葉銀行が全規模首位 民間調べ
- 2月14日
- 読了時間: 2分

帝国データバンクがまとめた2023年の千葉県内企業のメインバンク(主力銀行)調査によると、取引先の売り上げ規模にかかわらず、千葉銀行が全ての区分で首位だった。
調査対象全企業のうち約4割が千葉銀をメインバンクと認識。この割合は神奈川県における横浜銀行、埼玉県の埼玉りそな銀行より1〜2割高く、「千葉金融」における千葉銀の存在感を改めて示した。
同調査は2010年に始め14回目。帝国データが融資情報などを保有する全国147万社のうち、千葉県内企業約5万社を抽出して集計した。
全体では、千葉銀が39.6%で突出。京葉銀行(14.5%)、千葉興業銀行(8.3%)の地元地銀に続き、千葉信用金庫(5.6%)が4位に入った。5〜7位はシェア4〜3%台で三菱UFJ銀行など3メガバンクが並んだ。
22年調査に比べて順位変動や大きなシェア変化はなく、複数の銀行と取引している企業にとってもメインバンクはほぼ固定化している。
融資先の売り上げ規模別にみると、社数が最も多い売上高5000万円未満の中小・零細企業でも千葉銀が38.9%で首位だった。
2位の京葉銀の2.7倍のシェアがあり、過疎地域の房総半島を含め、県内全域に支店網を張り巡らせる強みを映した。
一方、資金需要の額が大きい売上高50億円以上の「中堅企業」クラスをみると、千葉銀のシェアは31.7%でトップだが、2位以下の順位は大きくかわる。みずほ銀行(14.5%)、三菱UFJ銀(13.5%)、三井住友銀行(9.5%)が2〜4位を占め、5位以下に千葉興銀などが続く。
3メガバンクは重点基盤の東京都にとどまらず、首都圏3県にも支店や法人向け融資拠点を構え、一定の規模がある企業との融資関係を重視している。
ただ、神奈川、埼玉両県と比べても千葉県における千葉銀の存在感は大きい。
神奈川県の横浜銀行のメインバンクシェアは20%、埼玉県の埼玉りそな銀行(旧埼玉銀行)は27%。
千葉県で約4割を占める千葉銀とは差がある。東京隣接地域におけるメガバンクの攻勢に加え、埼玉県信用金庫のような全国有数の大手協同組織金融機関との競合がある。
コロナ禍からなお病み上がりの地元企業の経営状況を踏まえれば、必ずしもメインバンクシェアが高いことは、収益に直結しない。
とりわけ中小・零細企業は「資金繰りや過剰債務、事業承継など様々な問題を抱える」(帝国データ千葉支店)。
千葉県の金融・経済の回復を資金供給面から円滑に支えていくうえで、千葉銀の責任は重たい。
Comments