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空き家問題の現状と対策

  • 2024年11月22日
  • 読了時間: 4分

1. 空き家の現状

  • 空き家率の増加: 総務省が2023年に発表した住宅・土地統計調査によると、国内の住宅総数に占める空き家の割合は13.8%で過去最高。

  • 増加の要因: 少子高齢化による人口減少が主な原因。特に地方で顕著。

  • 空き家の分類: 賃貸用49.3%、売却用3.6%、二次的利用4.3%、その他42.8%。


2. 空き家がもたらす問題

  • 景観の悪化: 劣化した建物が地域の美観を損ねる。

  • 治安の悪化: 放置空き家は犯罪の温床となる可能性がある。

  • 行政の負担: 解体や管理費用が行政の財政を圧迫。


3. 空き家対策の取り組み

  • 一戸建てを相続した場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から3000万円の特別控除が適用される。

  • 空家対策特別措置法: 自治体が危険な空き家を「特定空き家」に指定し、指導や勧告、最終的には解体を行うことができる。

  • 新たな区分: 「管理不全空き家」という区分が設けられ、自治体が早期に管理を促す措置が講じられた。

 

4. 改修空き家の需要

  • 若い世代の需要: 改修された中古住宅を選好する若い世代が増加。住宅メーカーもビジネスチャンスと捉え、中古住宅のストック型ビジネスを展開。

  • 地域ごとの取り組み: 富山県上市町の「0円空家バンク」など、無償取引や補助金を活用して移住・定住を促進する取り組みがある。


5. 都道府県別の空き家率

  • 高空き家率の地域: 和歌山県と徳島県が21.2%、山梨県が20.5%、鹿児島県が20.4%、高知県が20.3%。

  • 官民連携の取り組み: 空き家問題に対処するため、官民が連携して流通を加速させる事例が増えている。


6. 今後の課題と展望

  • 所有者不明の物件: 解体費用の回収が困難な所有者不明の物件が増加。略式代執行で行政が負担するケースも多い。

  • 新たな課税措置: 京都市では非居住住宅への課税を計画。政府も管理不全の空き家に対する固定資産税の減額措置を廃止する法改正を実施。

  • マンションの空き家問題: 全室が空室となった物件に対する解体権限の強化が求められている。



まとめ

空き家問題は少子高齢化と人口減少を背景に深刻化しています。空き家の増加は景観や治安、行政の財政に悪影響を及ぼしますが、一方で改修された中古住宅に対する需要の高まりも見られます。



空き家と神戸市「空き助ながた」の取り組み


1. 背景と現状

 総務省の調査によると、日本の空き家総数は過去20年で約1.5倍の849万戸に増加。特に、売却・賃貸・使用予定のない「本当の空き家」は349万戸に上ります。

 空き家が放置されることで、景観の悪化、悪臭・害虫の発生、倒壊の危険、犯罪の温床など、地域社会に深刻な影響を及ぼしています。

 2023年12月に施行された「空き家対策特別措置法」の改正では、空き家所有者の管理義務が強化され、行政の空き家対策への協力が努力義務となりました。


2. 神戸市の取り組み:空き助ながた

 神戸市は空き地の所有者に代わって地域の団体や専門家が管理・活用するプラットフォーム「空き助ながた」を設立。このプラットフォームは、草刈りなどの管理や暫定的な活用方法を地域住民が担う仕組みです。


3. 具体的な取り組み例:「おさんぽ畑」

 放置されている空き地を家庭菜園として利用する「おさんぽ畑」プロジェクトを開始。これにより、地域住民が空き地を積極的に管理し活用することが可能となりました。

 ゴミ屋敷化していた家屋を解体し、土地を細かく区切ってレンタル菜園として貸し出す事業も実施。1区画2平方メートルで月額利用料は3300円。

 この取り組みは地域住民に人気で、「空き区画が出ると10分で埋まる」ほどの需要があります。


4. 法的背景と国の対応

 2023年4月からは相続した土地の登記が義務化され、不動産に関するルールが大きく変わりました。これにより、相続登記が適切にされていない土地が減少し、所有者不明土地問題の解決が期待されています。

 国土交通省は空き家の管理に関するチェックリストを公表し、所有者に対して定期的な管理の実施を求めています。これには通気や換気、敷地内の清掃、庭木の剪定などが含まれます。


5. 地域住民の役割と重要性

 空き家問題の解決には地域住民の積極的な関与が不可欠です。地域全体で問題意識を共有し、協力して対策を講じることが重要です。「空き助ながた」のようなプラットフォームを通じて、地域住民が主体的に空き家・空き地問題に取り組むことで、地域の活性化が図られます。


6. 経済的・社会的影響

 放置空き家が10万戸増えると、日本全体で地価の下落により1.5兆円ほどの経済損失が生じるという試算があります。

 空き家の増加は地方自治体の財政を圧迫し、生活インフラの維持にも影響を与えます。



まとめ

 神戸市の「空き助ながた」や「おさんぽ畑」プロジェクトは、地域住民と行政が協力して空き家・空き地問題に取り組むモデルケースです。法改正や国の施策も進む中、地域全体で問題意識を共有し、持続可能な対策を講じることが重要です。このような取り組みが全国に広がることで、空き家問題の解決に向けた一歩となるでしょう。



太陽ハウス(株)

 
 
 

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