首都圏、2024年も再開発目白押し スポーツ施設やホテル2024年1月4日
- 2024年2月1日
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首都圏各地では2024年も再開発などの動きが目白押しだ。スポーツなどに使える大規模施設のほか、ホテルや商業施設を併設した複合施設が開業する。インバウンド(訪日外国人)客が本格回復するなか、新たなにぎわい創出に向けた取り組みが続きそうだ。
横浜市、スポーツで地域活性化 アリーナなど
JR関内駅近くにアリーナ施設「横浜BUNTAI」が4月に開業する(横浜市)
横浜駅西口では3月、相鉄グループの相鉄アーバンクリエイツと東急が手掛ける駅直結の複合施設「ザ・ヨコハマフロント」が完成する。
高さ178メートル、地上43階の高層ビルで商業施設、ホテル、マンションが入る。みなとみらい21地区では京浜急行電鉄やヤマハが建設する「横浜シンフォステージ」も3月に竣工する。延べ床面積約18万平方メートル、30階建てと16階建ての2棟からなる複合施設でホテルやオフィス、商業施設が入居する予定だ。
横浜市では他にも20年に閉館した横浜文化体育館の跡地にアリーナ施設「横浜BUNTAI(ブンタイ)」が4月に開業する。地上3階建て、延べ床面積1万5500平方メートル、約5000席を有する施設となる予定。バスケットボールなどのスポーツやコンサートの利用が見込まれている。
4月には人気アーティスト「ゆず」のオープン記念公演が実施されるほか、5月には周辺地域と連動したイベントも開かれる。
また隣接地にはスターツホテル開発が7階建て116室のホテルを開業する。近隣地にはサブアリーナとして20年7月に約3000席のアリーナと約500席の武道場からなる横浜武道館が開館しており、スポーツを中心に新たなにぎわいをもたらしそうだ。
埼玉県、鉄道延伸計画に動き 埼スタのアクセス向上へ
西武所沢駅の新商業施設の予定地
埼玉県では所沢市の中心市街地に注目が集まる。1983年にオープンした「新所沢パルコ」が2月末で閉店する一方、新所沢駅から西武新宿線で2駅隣に位置する所沢駅西口では西武リアルティソリューションズ(東京・豊島)と住友商事の運営する新商業施設の建設が進む。秋にもオープンする施設には大型映画館や食品スーパーなどを中心に約150のテナントが入る予定だ。
東京メトロ・南北線の目黒駅から埼玉高速鉄道の浦和美園駅までの「地下鉄7号線」の延伸計画も24年に大きく動く。さいたま市は24年中にも埼玉高速鉄道に事業実施を正式要請する見込みだ。
浦和レッズの本拠地の埼玉スタジアム、目白大学の岩槻キャンパスなどへのアクセスが向上する。延伸区間の沿線地域には27年に順天堂大学の新病院も整備される予定で、浦和美園駅周辺の住宅需要も高まるとみられる。伝統工芸の人形が有名な岩槻区などへ観光客が訪れるきっかけにもなりそうだ。
東京ディズニーシーに6月、新エリア
ディズニーシーにアナと雪の女王などをテーマにしたエリアが開業する(イメージ)
千葉県では集客力の高いスポットが続々と開業する。最も注目を浴びている場所の1つが6月に開業予定の東京ディズニーシー(TDS)の新エリア「ファンタジースプリングス」だ。
人気映画「アナと雪の女王」や「塔の上のラプンツェル」、「ピーター・パン」の3作品をテーマとする。
東京ディズニーリゾート(TDR)のエリア拡張としては面積と事業費が最大規模となる。運営するオリエンタルランドは混雑が予想されるなか、事実上の入場制限もする見込みだ。
JR南船橋駅の近くにはコンサートやスポーツイベントなど多目的に対応する収容人数1万人規模のアリーナが春に開業する。
手掛けるのは三井不動産やMIXI(ミクシィ)。同駅にはららぽーとやイケアといった大型商業施設もあり、23年11月に「三井ショッピングパーク ららテラス TOKYO-BAY」もオープンするなど若年層を中心に人気が高まりそうだ。
一方、JR総武線が走る千葉駅近くにあるそごう千葉店の別館、ジュンヌ館は客足が伸び悩んだままひっそりと23年夏に一時閉店した。リニューアル開業予定で、ヨドバシホールディングス(HD)の出店が決まっている。ヨドバシカメラ以外の店舗展開にも注目が集まる。
東京都、築地市場跡地の再開発事業本格化へ
再開発が予定される築地市場跡地(東京都中央区)
東京都では築地市場跡地(東京・中央)の再開発事業の事業者が3月にも決まる。都が23年8月末に提案募集を締め切り、現在は専門家らによる委員会で事業者からの提案を審査している。小池百合子知事は23年9月の記者会見で「複数のグループから提案を受け付けた」と話したが、都は入札企業名を明らかにしていない。
うち1つのグループは三井不動産を中心とした企業連合だ。三井不などの計画案ではスタジアムのほかホテル、オフィス、住居棟などを建設する。築地市場跡地は約20ヘクタールで、18年10月に市場機能が豊洲に移転した後は更地になっている。
跡地は都内有数の一等地にあり、再開発は東京の都市力の造成にもかかわる。
大型再開発プロジェクトとして他に注目を浴びるのが神宮外苑地区の再開発事業だ。三井不動産などの事業者が参画し、老朽化した野球場やラグビー場などの建て替えを進める。全体の工事完了は36年を見込む。一方で周辺住民などが事業の施行認可取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こすなど、事業の行く末が注目される。
東京都知事選は7月投開票
東京都では任期満了に伴う都知事選が6月20日告示、7月7日投開票で予定されている。小池百合子知事は7月30日に2期目の任期満了を迎える。小池氏や各陣営の動きに注目が集まる。
都知事選と同日に江東区や品川区など8選挙区の都議補選も投開票される。23年10月投開票の都議補選の結果、都議会の会派構成は自民党と都民ファーストの会が最多で並んだ。知事選と合わせて最大会派争いも焦点となる。
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