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高さ日本一「トーチタワー」着工 三菱地所、東京駅前に

  • 2024年3月1日
  • 読了時間: 3分



 三菱地所は27日、2028年3月末の完成を予定する超高層ビル「トーチタワー」(東京・千代田)の着工式を開いた。東京駅前に建設する。

完成すれば高さ約390メートルと、23年6月にできた「麻布台ヒルズ森JPタワー」(東京・港、約330メートル)を抜き日本一高いビルとなる。

 「トーチタワー」の「トーチ」はたいまつのことで、「日本を明るくともす存在でありたい」という意味を込めたという。

 トーチタワー自体も、全体としてたいまつをイメージした形状になっている。27日の着工式で三菱地所の中島篤社長は「人々の熱量を結集し、日本の、東京の未来を熱く灯していきたい」と語った。



 トーチタワーでは建物を支える構造部材を窓の外側に配置する「アウトブレース」を全面的に採用。耐震性能を高め、内部の柱の間隔を10.8メートルと一般的なオフィスビルよりも広く確保する。

 歴史的にゼネコンは高層建造物の建設時に新技術や新工法を採用してきた。トーチタワーの施工は清水建設が担当する。同社は麻布台ヒルズ森JPタワーの施工も手掛けており、その際は溶接ロボットや監視ロボットなど次世代の建設技術を導入し、省人化につなげた。


 トーチタワーではどのような技術が投入されるか注目される。


 日本初の100メートル超えは霞が関ビル


 日本の超高層ビルは半世紀以上の歴史がある。日本で初めて高さ100メートルを超えたのが1968年に完成した「霞が関ビルディング」(東京・千代田、147メートル)だ。三井不動産が事業を主導し、鹿島などが施工した。


 「高さ日本一」の称号は短期間で変動したが、1978年に完成した「サンシャイン60」(東京・豊島)は90年に東京都庁第一本庁舎が完成するまで長く日本一の座にあった。


 超高層ビルに対する世論も変化した。74年に東京・丸の内で完成し、現在建て替え中の「東京海上日動ビル本館」(東京・千代田)は東京都や国などを巻き込んだ美観の論争に見舞われた。

 計画時に皇居を見下ろす構図に批判が上がり、30階建ての設計案が25階建てへ変更された。今や超高層ビルはマンションにもみられ、大都市では当たり前の存在となった。

 日本のビルが「スーパートール」と呼ばれる高さ300メートルに突入したのは2000年代に入ってから。14年に完成した「あべのハルカス」(大阪市)の高さはちょうど300メートルだ。


 「超高層ビル」の国際的な定義はなくまちまちだ。


 かつて日本の建築基準法施行令では高さが60メートルを超える建築物を「超高層建築物」とする記載があった。

 ちなみに日本初の「超高層マンション」は住友不動産が1976年に建設した高さ66メートルの与野ハウス(現・さいたま市)だ。


 世界は800メートル超


 世界に目を向けると、中国の「上海タワー」(632メートル)やサウジアラビアの「メッカ・ロイヤル・クロック・タワー」(601メートル)など400メートルを超えるビルは少なくない。

 最も高いビルはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある「ブルジュ・ハリファ」で828メートルを誇る。



 日本でこうした「超々高層ビル」がないのは、地震や台風などの自然災害が頻発する上、近隣に空港があるためビルの高さに制約があるからだとされている。



(橋本剛志、田村修吾)

 
 
 

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