Amazonが映画「007」制作権 「次のボンドは誰がいい?」
- 4月11日
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【シリコンバレー=中藤玲】米アマゾン・ドット・コムは21日までに、人気スパイ映画「007」シリーズの制作決定権を取得したと発表した。初代プロデューサーの一族から権利を引き継ぎ、今後はアマゾンが自由に新作映画やスピンオフ作品をつくることができる。
007は架空の英国人スパイ、ジェームズ・ボンドが主人公の小説が原作で、1962年にプロデューサーの故アルバート・R・ブロッコリ氏らが映画化した。これまで25作品がある。
共同制作や配給にあたるメジャースタジオは代わってきたが、プロデュースは一貫してブロッコリ氏や、同氏の子どもであるバーバラ・ブロッコリ氏とマイケル・G・ウィルソン氏が手がけてきた。キャスティングや脚本などに関わる全ての最終決定権を握る。
今後はアマゾン傘下のスタジオと、バーバラとウィルソンの両氏で、007のIP(知的財産)を管理する合弁会社を設立する。フランチャイズは両氏と共同所有するが、制作におけるコントロール権はアマゾンに移る。
業界誌デッドラインは20日、今回の取引でアマゾンから両氏に10億ドル(約1490億円)相当が支払われるようだと報じた。
アマゾンは2022年、4000以上の映画の権利を持つ米映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を買収し、007の過去作品の配給権を手に入れていた。だが新作の企画開発は自由にできなかった。
今後はアマゾンが若年層のファン開拓に向けて、自社の動画配信サービス「プライムビデオ」で流すスピンオフドラマなどが拡充される可能性がある。
バーバラ氏とウィルソン氏はボンドのキャラクター像を守り、劇場映画にこだわってきたことで知られる。
他作品では、米ウォルト・ディズニーが映画「スター・ウォーズ」を手がける米ルーカスフィルムを買収したことで、スピンオフのドラマシリーズを展開した例がある。
最も大きな関心事は、次のボンド役を担う俳優が誰になるかだ。21作目の「カジノ・ロワイヤル」(06年)から俳優ダニエル・クレイグさんが主演していた5部作は21年に完結しており、次回作は未定になっている。
アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏は20日、「次のボンドに誰を選ぶ?」とX(旧ツイッター)に投稿した。
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