みずほ銀、手数料ゼロの住宅ローン パワーカップル照準
- 2024年8月2日
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みずほ銀行は8月から、借入時にかかる初期費用を不要にする新たな住宅ローンの取り扱いを始める。銀行や保証会社に借入時に支払う手数料をなくし、顧客の負担は金利のみとする。
ローン金利は従来型の商品より0.2%高く設定するが、早期に完済する顧客の総支払額は従来型より少なくなる。世帯収入が多く、住み替えを検討するパワーカップルや富裕層などからの需要が強いとみて、変動型、固定型の両方で対応する。
住宅ローンは借入時に借入金額の2.2%を取扱手数料として徴収するタイプが主流だ。みずほ銀行も同様で、5000万円を借り入れる場合は110万円の手数料が発生する計算だ。商品によっては保証会社の事務手数料や保証料がかかる場合もある。
みずほ銀行の新商品は顧客の負担を金利のみとする商品設計にした。銀行に支払う取扱手数料だけでなく、保証会社への事務手数料や保証料も不要とする。代わりに変動型の最優遇金利(7月時点では年0.575%)は初期費用のかかる従来型の商品(年0.375%)より0.2%高くなる。
新商品が主なターゲットとするのがパワーカップルや富裕層だ。返済余力のあるこれらの世帯ではローンを短期間で返済したり、家族構成の変化に合わせて住み替えを考えたりするケースも少なくない。
従来型であればローンを借り入れるたびに高額な初期費用を負担することになるが、新商品は初期費用が不要になる。
毎月の返済額は従来型より多くなる一方で、早く返済するほど総支払額を抑えられることになる。
期間35年で4000万円を借りた時の実質コストを比べると、おおよそ14年未満で完済する人は新商品の方が総支払額が小さくなる。
みずほ銀行によると大半の住宅ローン顧客が当初期間35年で借りるものの、繰り上げ完済する人が多く、実質的な借入期間は平均で16〜17年だという。
リクルートの2023年の調査によると、住宅購入を検討する人の3割が買い替え目的で、この比率は比較可能な19年の調査以降、最も高くなった。みずほ銀行は富裕層以外の層でも、短期間の返済や住み替えを検討する人は多いため、新商品の潜在的なニーズがあるとみている。
住宅ローンは銀行の個人向けの主力商品の一つで、インターネット専業銀行を中心に金利競争も激しい。
みずほ銀行は金利以外の部分での魅力を高め、長期的な取引につながる顧客を増やしていきたい考えだ。初期費用のかからない住宅ローンは国内で初めてとなるという。長期間借りる人にメリットのある従来型の商品も引き続き販売し、多様なニーズに応える。




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